バラ科サクラ属リンボク,学名:Prunus spinulosa,かのんの樹木図鑑
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【バラ科 サクラ属】 学名:Prunus spinulosa Siebold et Zucc.
 リンボク
【 りん木 】 別名/ヒイラギカシ(柊樫),カタザクラ(堅桜) 
 ●落葉小高木〜高木
 ●高さ:5〜10m
 ●花期:9〜10月
 ●果期:5〜6月
 ●分布:本州
(太平洋側は関東地方以西,日本海側は福井県以西)
       四国,九州,沖縄
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉,2001年,P542
(2) 千葉喬三監修,山陽新聞社,岡山の樹木(上),1989年,P138
(3) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P350

2007.1.4 岡山県吉備中央町
2007.1.4 岡山県吉備中央町
葉は互生(ごせい)。基部はくさび形で,先端は尾状に尖る。表面には光沢があり,縁はやや波打ち,針状の鋸歯が散在する。老木では全縁(ぜんえん)になる。鋸歯の様子には個体差がかなりあるようだ。常緑樹だが質は余り厚い感じではなくペラペラした感じ。
2010.1.1 岡山県御津虎倉
御津の虎倉神社の社叢で見つけた幼木。葉の鋸歯(きょし)は鋭いが,柔らかく触れても痛くはない。
2012.1.5 岡山県高梁市巨瀬町
神社の社叢で見つけた幼木。高さはおよそ20p。鋸歯(きょし)はとても鋭く,手で触れると痛かった。成木になると鋸歯は目立たなくなる。
2007.1.4 岡山県吉備中央町 2007.1.4 岡山県吉備中央町
裏面も無毛で,淡緑色。主脈は裏面に隆起している。葉身の基部には,小さな腺点がある。葉柄は約1p。 冬芽は,複数の明褐色の芽鱗で覆われている。
若い枝には短毛が密生しているようだ。
2007.1.4 岡山県吉備中央町 2012.1.5 岡山県高梁市巨瀬町
樹皮には横向きの皮目が目立ち,サクラ属らしい特徴を示している。老木になると細かく剥がれるという。 社叢林の林縁にて。灰色に輝く樹皮はまさにサクラを思わせる。
2012.3.27 岡山県吉備中央町
胸高周囲約1mの大木を見つけた。横に張り出した枝振りが見事。樹皮は黒褐色でざらついているが,やはり横向きの皮目があり,サクラに見える。
2011.12.31 岡山市御津宇甘九谷 2012.3.27 岡山県吉備中央町
イチイガシやスダジイが優先する樹林内で見つけた。耐陰性が強く,照葉樹林内の薄暗い環境でも成長する。 未熟な果実。長さ1pほどの楕円形で,翌年の5〜6月に黒紫色に熟す。
(わたし流)
幼木のうちは鋸歯がするどいので,葉での見分けが容易である。
ところが,成木になると,鋸歯があまり目立たなくなり,何の木か迷うことがある。私は横向きの皮目がある樹皮を見てリンボクであることに気付くことが多い。
横向きの皮目は,サクラ属に多く見られる特徴であり,ほかにはケヤキがそうである。
樹皮は薬袋紙(やくたいし)の染料に用いられた。(2)(3)
また,材は硬いので木部材や細工材に用いられる。(3)
名の由来
リンボクの名の由来は不明であるらしい。
別名のヒイラギガシは,葉の鋸歯がヒイラギを思わせるからだろう。「カシ(樫)」の名があるのは材として利用されて証である。
もう一つの別名カタザクラは,花がサクラ(特にイヌザクラやウワミズザクラ)に似ており,材が硬い,もしくは葉が常緑で硬いことによるのではないかと思う。
岡山県情報
岡山県内では,中部を中心に全域に分布する。
山地の谷間,照葉樹林内などに自生し,吉備高原都市周辺の雑木林で見かけることは少ない。耐陰性は強いが,乾燥には弱いのだろう。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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