アカマツ林の樹木

アカマツは吉備高原を代表する樹木である。
岡山県の吉備中央町にある「21世紀の森」付近は典型的なアカマツ林の
景色を残している。下草狩りをされたアカマツ林もあれば,放置された
所もあり、アカマツ林を観察するには都合のよい場所となっている。
「21世紀の森」のアカマツ林の様子
 ●場所:岡山県吉備中央町「21世紀の森」、H15.10.30
       
 (定期的に下草刈りが行われるアカマツ林の林床を観察した)
ウルシ科 ヌルデ  ウコギ科 タカノツメ 
荒れ地にいち早く入り込むパイオニア植物の代表格。翼(よく)のある葉が特徴。 吉備高原では、主要な落葉高木。春先の新芽はコシアブラやタラノキとならんで食用になる。
モチノキ科 イヌツゲ  ツバキ科 ヒサカキ 
乾燥した岩場や林縁に多い常緑小高木。定期的な下草刈りにも強そうだ。 乾燥にも日照不足にも強く、吉備高原ではどこにでも普通に見られる。
バラ科 ノイバラ  モチノキ科 ウメモドキ 
吉備高原に多いのは、ノイバラかミヤコイバラ。どちらかは分からないが、いずれも林縁部などで普通に見かける。 比較的湿潤な落葉樹林内に多いのだが、なぜかアカマツ林に…。
ユリ科 サルトリイバラ  ウルシ科 ヤマウルシ
吉備高原では林縁でよく見かけるツル性の植物。 荒れ地などにいち早く入り込むパイオニアプランツの代表格。幼木には鋸歯が見られる。
バラ科 サクラのなかま モチノキ科 ソヨゴ 
蜜腺(みつせん)の位置と,鋸歯(きょし)の様子からカスミザクラやヤマザクラなどの可能性もあるかも?
吉備高原に多い常緑高木。
スイカズラ科 コバノガマズミ スイカズラ科 ミヤマガマズミ
葉が対生し、全体に短毛が密生している。コバノガマズミは、吉備高原の乾いた土地によく合っているようだ。 同じくスイカズラ科ガマズミ属だが、葉には毛がなく、光沢がある。吉備高原では、コバノガマズミよりもやや少ないようだが、普通に見かける樹種だ。
ハイノキ科 タンナサワフタギ  ウコギ科 オカウコギ
落葉樹林内や林縁でよく見かけるタンナサワフタギがアカマツ林の中にもあった。何度も草刈り機で切断され、幹は太くなっている。 オカウコギだと思うのだが…ちょっと自信がない。葉の表の脈上にまばらに突起がみられる。鋸歯は芒状(ぼうじょう)の鋸歯が縁全体に見られ,見ようによってはコシアブラにも…。いや,でも葉の形はやはりオカウコギか…。
ツツジ科 ツツジのなかま  マメ科 フジまたは、ヤマフジ
マツ科 アカマツ
当然のことながら,アカマツ林には、アカマツの幼木もあった。
 ●あっ!と驚く意外な樹木まで…
スイカズラ科 ハナツクバネウツギ トウダイグサ科 ナンキンハゼ 
アベリアの名前でよく知られ、公園の生け垣などに多く用いられる。吉備高原都市の道沿いには植えられているので、そこから逸出してきたのか? 中国原産の外来種だが,徐々に野生化しているようだ。吉備高原都市内にもナンキンハゼの並木道がある。我が家の庭にも時折、芽を出す。
参考文献
「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@」(山と渓谷社) ※1
「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社) ※2
「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物」(山と渓谷社) ※3

(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです。


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