吉備高原都市周辺の常緑樹,かのんの樹木図鑑
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吉備高原都市のまわりの常緑樹


(吉備高原都市)
 吉備高原都市は,岡山県のほぼ中央に位置する計画都市で,標高は300m前後である。
 都市開発が行われる以前,この場所は,旧加茂川町の竹部,上野集落や,旧賀陽町の吉川,湯山集落の里山林だった。そのため,周辺に残された山林は,コナラ,アベマキアカマツが主体となっている。
 しかし,今では,里山林としての利用はほとんどなく,最優占種であるアカマツは減少傾向にある。また,かつて薪炭に利用されてきたコナラアベマキは,伐採や運搬が困難なほど大きく成長している。 そして,林床では,耐陰性の強い常緑樹の成長が進んでおり,このまま遷移が進めば,いずれはアラカシを主体とする林に変わっていくと思われる。

そこで,吉備高原都市周辺の常緑樹を散歩がてら調べたので紹介したいと思う。
ブナ科の常緑樹
アラカシ シラカシ
常緑樹ではあるが陽樹の性格が強く,林縁部ではかなり大きく成長してきている。吉備高原都市周辺では圧倒的に多い。 吉備高原都市周辺ではあまり見かけないが,ぽつりぽつりと目にする。
ウラジロガシ 吉備高原都市を南西下ったところに,吉川八幡宮がある。ここの社叢林は,常緑広葉樹で形成され,スダジイモミヤブツバキの高木層に,ネズミモチヒサカキシャシャンボなどが混生しており,この地域の自然植生を残しているとされている。

しかし,吉備中央町の林内でスダジイを見たことはなく,今後,スダジイを主体とする森林になるとは思えない。ブナ科の常緑樹では圧倒的にアラカシが多い。
吉備高原都市周辺ではあまり見かけないが,ぽつりぽつりと目にする。
クスノキ科の常緑樹
シロダモ カゴノキ
陰樹的な性質が強く,薄暗い林内でも発芽してある程度までは成長する。吉備高原都市周辺では,スギやヒノキの人工林内でよく目にする。 県北では一般的なカゴノキも,吉備高原都市周辺では,どちらかというと珍しい樹種である。大木はあまり見ないが,中には目通り周囲が約60pのものもある。
タブノキ ヤブニッケイ
タブノキというと沿岸部というイメージが強いが,意外にも吉備高原都市周辺でもしばしば目にする。(植栽ではないと思うのだが…。) シロダモほどではないが,薄暗い林内でも比較的よく生育するようである。大きな木は見かけない。
モチノキ科の常緑樹
イヌツゲ ソヨゴ
雑木林に典型的な樹種で,乾燥にも強い。 吉備高原都市周辺ではどこの山に入っても必ず見かける。地元の人はフクラシバと呼ぶ。
タラヨウ
逸出の可能性もあるが,竹部から吉備高原都市に登る坂の途中,やや奥まった林内で見つけた。
ツバキ科の常緑樹
ヒサカキ チャノキ
雑木林に典型的な樹種。やや乾燥した土地に多い。 古くから栽培されていたものが野生化して随所で見られる。
ほかにも,モッコク,ヤブツバキなどはありそう。
モクセイ科の常緑樹
ネズミモチ ヒイラギ
陰樹的な性質が強く,薄暗い林内でよく目にする。 陰樹的な性質が強く,薄暗い林内でよく目にする。
グミ科の常緑樹 ヤブコウジ科の常緑樹
ナワシログミ ヤブコウジ
林縁部などでふつうに見かける。 林床にふつうに見かける。
マツ科の常緑樹 ヒノキ科の常緑樹
アカマツ ネズミサシ
吉備高原都市内の石ころだらけの空き地にも旺盛に芽生え,放っておけばすぐに大きくなる。パイオニアプランツとしての性格が強く,荒れ地にはめっぽう強いが,手入れの成されなくなった里山からは急激に減ってきている。それに伴ってマツタケの収穫量も激減している。 地元の人はモロマツ,ムロマツなどと呼ぶ。里山林内にごく普通に見られ,まっすぐな材が得られるため,かつぎ棒などに利用された。
ツツジ科の常緑樹
シャシャンボ アセビ
吉備高原都市内の林縁部に1株だけ見つけた。近くの吉川八幡宮の社叢林には自生するので,鳥が運んできたのかもしれない。 林縁部などでふつうに見かける。
ヤドリギ科の常緑樹
ヒノキバヤドリギ マツグミ
公園のヤブツバキに寄生していた。 アカマツに寄生している。気を付けてみれば結構多い。
キョウチクトウ科の常緑樹 ニシキギ科の常緑樹
テイカカズラ ツルマサキ
吉備高原都市からは少し離れるが,下竹付近川合神社の社叢近くで確認できた。
メール(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,
まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです。

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