チャセンシダ科チャセンシダ属ヌリトラノオ,学名:Asplenium normale,かのんの樹木図鑑
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ヌリトラノオ
チャセンシダ科 チャセンシダ属         常緑性,1回羽状複葉
学名 : Asplenium normale D.Don
( 塗虎の尾 ) 別名/ 
分 布 本州(関東,福井県以西),四国,九州
生育地 山地の岩上,倒木上
高 さ 10〜30p
参考図書
(1) 光田重幸著,検索入門 しだの図鑑,保育社,1986年,P81
(2) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年
(3) 池畑怜伸著,写真でわかるシダ図鑑,トンボ出版,2008年,P55

▲生育環境。水が絶えず滴っているような岩上に群生していた。背景に見えるのはコウヤコケシノブ。付近にはウチワゴケ,シシランなども見られた。
▲胞子のう群(ソーラス)。羽片につく胞子のう群(ソーラス)の数はチャセンシダより多いようだ。
▲このように途中で2叉,3叉した個体もしばしば見かけた。図鑑によると「無性芽の位置で葉の成長は止まる」とあるが,何かの原因で止まらなかったため,上のようになったのであろうか。右の写真では分かれた葉のそれぞれの先端に新たな無性芽を生じている。
2013.1.19 岡山県高梁市「磐窟渓」
(感想)
1月19日:初めて本種を見たのだが,家に帰って調べるまでチャセンシダと思っていた。ところが調べてみてまず気が付いたのが葉柄に翼がないこと。ルーペでみると微妙に角張っているようには見えるが,以前見たチャセンシダと比較するとあまりにも小さい。また,生育場所もコウヤシノブゴケがあるような湿った岩上だったのも図鑑の情報と異なる。決定的だったのは,葉の先端付近に無性芽があったこと。色はやや淡いがヌリトラノオと判断した。
  • 葉の先端付近の中軸上に無性芽をつける。
  • 葉柄は紫褐色で光沢がある。
  • 湿った岩上に生育する。(チャセンシダ,シモツケヌリトラノオは乾燥した岩上に生育する。)
  • 羽片基部は先端に向けて直角に張り出す。
(似た種類)カミガモシダ,チャセンシダ,イヌチャセンシダ,シモツケヌリトラノオ
名の由来
トラノオシダに似て,軸が漆を塗ったように紫褐色をしているので「ヌリ」。
岡山県情報
岡山県全域の二次林,渓谷,岩角地に分布するが,生育地は少ない。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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