セリ科ヤブニンジン属ヤブニンジン,学名:Osmorhiza aristata,かのんの樹木図鑑
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ヤブニンジン

セリ科 ヤブニンジン属                             多年草
学名 : Osmorhiza aristata
( 藪人参 ) 別名/ ナガジラミ 
花 期 4〜5月
分 布 北海道・本州・四国・九州
生育地 林の縁,竹藪などの日陰地
参考図書
(1) 林弥栄監修,野に咲く花,山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑1〉,1989年,P211
(2) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年,P321
(3) 清水矩宏ほか,全国農村教育協会,「日本帰化植物写真図鑑」,2001年

2012.4.28 岡山県高梁市川上町
2009.5.9 岡山県吉備中央町
枝先から複散形花序(ふくさんけいかじょ)を出す。小花序に5〜9個程度しか花がつかず目立たない。花は5弁花で,雄花(花柱が退化)と両性花(りょうせいか)が混じる。子房下位(しぼうかい)で,長く伸びた花床(かしょう)には,隆起線があり,白色で上向きの刺毛(しもう)が密生している。
2009.5.9 岡山県吉備中央町 2009.5.9 岡山県吉備中央町
果実は棍棒状で先端に向かってやや太くなる。
果実があれば,ヤブジラミや,オヤブジラミと容易に区別できる。
葉は全体の形は三角形で,羽状(うじょう)に深裂する。裏面は白く,縁には毛が目立つ。
ヤブジラミやオヤブジラミの葉とよく似ているが,ヤブニンジンの方が切れ込みが少なく,裂片の幅が広い。
2009.5.9 岡山県吉備中央町
茎には下向きの白い毛が目立つ。
セリ科の植物には似たものが多く,野外では判断に迷うことが多い。
ヤブニンジンの特徴を私なりにまとめておく。(あくまで私なりのメモである。)
 ・葉が2回3出羽状複葉。ヤブジラミ属よりは裂片に幅がある。
 ・複散形花序には花がまばら。
 ・花床が長く,上向きの刺毛が目立つ。
 ・果実は棍棒状で,上部が太い。やはり上向きの刺毛が目立つ。
セリ科には「ニンジン」と名の付く草本がいくつかあり,よく混乱するのでまとめておく。
分類 生育地 備 考
ドクジンジン ドクニンジン属 里草地 ヨーロッパ原産
ノラニンジン ニンジン属 空き地,里草地 ヨーロッパ原産
栽培ニンジンの野生化とされる
ヤブニンジン ヤブニンジン属 山草地,林縁,竹林
ムカゴニンジン ムカゴニンジン属 湿地,池沼地
名の由来
葉がニンジンに似ていて藪(やぶ)に生育することによる。別名のナガジラミは,果実が細長く,ヤブジラミのように刺毛があることによる。(1)
有用植物であるニンジンに比べて,“役に立たない”という意味が「ヤブ」に込められていると思う。
岡山県情報
岡山県内全域の山草地,林縁,竹林などのやや湿り気のある場所で普通に見られる。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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