キキョウ科ツリガネニンジン属ツリガネニンジン,学名:Adenophora triphylla var. japonica,かのんの樹木図鑑
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ツリガネニンジン

キキョウ科 ツリガネニンジン属        多年草
学名 : Adenophora triphylla var. japonica
(釣鐘人参) 別名/−−
花 期  8〜10月
分 布 北海道・本州・四国・九州
生育地 日あたりのよい山野
参考図書 山と渓谷社「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」P86


2005.9.25 岡山県「自然保護センター」 2005.9.25 岡山県「自然保護センター」
花は輪生して数段につく。茎はほとんど分枝しない。 葉も3〜4枚を輪生する。柄はごく短く,縁には鋸歯がある。葉脈がやや赤味を帯びることもある。
H15.10.12 岡山県「自然保護センター」 2005.9.25 岡山県「自然保護センター」
ツリガネニンジンの名の通り,釣鐘状の花をつける。
学名上で基本種とされるサイヨウシャジンと非常に似ているが,花冠の先端部がややすぼまっていること,雌しべが花冠から長く突き出すことで区別される。
根生葉(こんせいよう)は,円心形をしており,茎葉(けいよう)よりもかなり大きく,長い柄がある。質感や鋸歯,葉脈の感じは非常に似ている。
一般的に花期には枯れてなくなるらしいが,元気に残っている様子も見かける。
2005.10.30 岡山県「自然保護センター」
ツリガネニンジンは,雄しべが先に成熟し,後に雌しべが成熟する,雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)。上の写真は雄性期で,雌しべの先端がこん棒状に閉じている。花冠の中では雄しべが花粉を出している。
2005.10.30 岡山県「自然保護センター」 2011.10.23 岡山県加賀郡吉備中央町
雌性期。雌しべの先端がはっきりと3裂した。雄しべは花粉を出し終わった。
雄性先熟
(ゆうせいせんじゅく)は,自家受粉を避けるためのシステム。
2011.10.23 岡山県加賀郡吉備中央町 2006.11.5 岡山県「自然保護センター」
未熟な果実 熟した果実。上部に穴があき,風に揺れるたびに小さな種子がこぼれ落ちる。
●備 考●
  1. 根を沙参(しゃじん)といい,薬用にする。また,春の若芽は食用になる(参考:山陽新聞社「岡山の薬草」)と紹介されている。おそらく丸い根生葉を食するのであろう。
     
  2. 和名は,沙参(しゃじん)と言われる太い根をニンジンに例えたのであろう。ニンジンはセリ科であるから少し紛らわしい。また,ツリガネは,花冠の形に由来する。
     
  3. ツリガネニンジンは変異の幅が大きい。
    以下の写真は,同一場所に生育していたもの(1m四方に納まる)。葉の幅も厚みも,鋸歯の様子も本当にいろいろである。左の個体は,葉が非常に細く,花冠もスマートな特徴をもつ。まん中の個体は,葉がとても厚く,鋸歯が細い。右の個体がもっとも一般的な葉だろう。
    極めて近い場所であるから,日当たりや栄養状態の差とは考えにくい。遺伝的な要因としても,キキョウ科は自家受粉をさける仕組みが発達しているから,近い場所では交配が進み,均一化するように思うが…(素人の考察です)
     
(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです。

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